外壁塗装の知識

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塗料の不思議 なぜ固まるの?なぜ付くの?

①塗料はなぜ固まるの?

塗装は液状である塗料を薄い膜にして、短い時間で固まらせる必要があります。そのためにいろいろな化学的・物理的反応がつかわれています。塗料が固まることを硬化といいますが、硬化する温度により分けると高温で硬化する塗料と常温で硬化する塗料があります。

高温で硬化する塗料には・・・

  • フッ素樹脂塗料
  • シリコン樹脂塗料
  • 熱硬化型アクリル樹脂塗料

などがあり、その使われ道は工場で作られる自動車や電化製品の割合が高いです。

 

外壁の現場塗り替え用の塗料には、もちろん常温で硬化する塗料が使われますが・・・

  • アクリルシリコン樹脂
  • アクリルウレタン樹脂
  • アクリル樹脂・・・・etc.

などがあります。

 

また塗料の分け方として、2液型と1液型といった分類の仕方もあります。

2液型塗料とは、塗装する直前に塗料の主剤と硬化剤を混ぜ、2つの種類の液を反応させて硬化させます。

一方、1液型塗料は、基本的に溶媒が揮発(通常の温度で液体が気体になり、飛んでしまうことです)することによってビヒクルが硬化するものであり、現場で2液型のように混ぜ合わせをしないので簡単につかうことが出来るメリットがあります。

 

このような「硬化」のみちすじを整理しますと次にように分類することが出来ます。

これらの硬化方法のうち、外壁塗装に用いられる塗料の化学反応では「重合」が最重要な役割りといえます。
重合とは簡単なつくりの低分子(モノマーといいます)の分子と分子をつないで結合させ、分子量の大きな高分子(合成樹脂)をつくる化学反応をいい、ここで合成される化合物はポリマーといいます。
また重合させる場合、熱を加えることによって分子が結合し、高温硬化されるものは焼き付け塗料とよばれています。

 

通常の温度条件のもと、塗装する外壁塗り替え塗料の場合はよくあるアクリルウレタン塗料のように、主剤(A液)と硬化剤(B液)を混ぜ合わせると反応し、重合させる2液反応硬化塗料があります。この塗料の主剤と硬化剤ですが、反応する前は粘度と分子量が低い高分子のため、素地によく浸透し、その後硬化するので脆弱な基材などを補強し、また吸水性を抑えるなどの働きがあります。
こういったタイプの塗料は2つの塗料(主剤と硬化剤)を混ぜ合わせると反応が始まり、硬化が進んでいきますので、一定の時間内に塗装を終わらせる必要があります。
この一定の時間内のことを「可使時間」または「ポットライフ」と呼び、塗料それぞれに時間が設定されています。

 

昨今では同じアクリルウレタン塗料でも1液反応硬化型塗料などもあり、使いやすく性能的にも2液タイプと遜色ないものも出ています。これは水系塗料となりますが、溶媒として使われる水分が蒸発すると反応硬化するもので、水の中に主剤と架橋剤(ポリマー同士を連結し、物理的、化学的性質を変化させる反応をたすける添加剤です)が分散していて、水分が蒸発すると反応するようになっています。
このような化学的または物理的反応を安定しておこなっていくためには、原料が微粒子状になって、均一に混じりあっていなければなりません。この現象のことを「分散」といいます。分散状態とは本来は水に溶けない油や樹脂、あるいは顔料などを界面活性剤のような乳化剤の作用によって水の中に分散させることを言います。
身近なものとして、牛乳があります。牛乳は水分の中に脂肪分が溶けず、分散している状態の飲み物です。

 

この現象を塗料として応用したものがエマルジョン塗料と呼ばれます。エマルジョン塗料は溶媒(水)の中に固形分(樹脂や顔料など)が分散しており、塗装すると水分が蒸発し、樹脂が融着し塗膜となります。水を溶媒としている水系塗料のため、環境にやさしく、作業性にも優れ、リフォーム業界においては現在、主役の立ち位置でもあります。

エマルジョンペイントは現在広く普及しており、今や外壁塗料における主役の一つです。そのエマルジョンの技術は水系塗料だけでなく、「弱溶剤」または「NAD」と呼ばれる塗料にも応用されています。
NADとはNon Aqua Dispersion(非水ディスパージョン)のことで、塗料中の溶剤の中にポリマーが分散して液状になっており、溶剤が揮発して硬化する特徴を持っています。NADは溶剤分が少ないので臭いが少ない、作業性が良い、リフティング(塗膜のチヂミ現象の事で、塗料を塗り重ねた際、その塗料の溶剤成分により下の塗膜が膨れ、チヂミが起こる現象です)しにくい、等といった特長があります。
溶剤は塗装になくてはならない物ですが、強い溶剤(一般的に強溶剤と言います)は下地を傷めるだけでなく、環境的にも問題がありますので、エマルジョン塗料や弱溶剤塗料は環境保護の観点からもリフォーム塗装における主流と言えます。

②塗料はなぜ付くの?

塗装の目的は被着体(塗装をされる側の物体の事です)の美観キープとその物の保護ですが、そのためには元々液体である塗料が硬化して塗膜になったあと、しっかりくっ付いていなければなりません。塗料がどうやってくっ付くか、いろいろな見解がありますが、塗料である液体が乾燥し、高分子化(塗膜を形成する分子がくっついて網状になる事)するにつれ、粘り気が下がり硬化収縮しつつ、被着体にくっ付く性質が上がってくる事が考えられます。

 

一方の被着体についてはその材料の表面の状態に大きく左右されます。塗料がくっ付く影響力は塗膜よりもはるかに大きいと言われています。従いまして、塗装をするにあたっては被着体表面の洗浄をすることがとても重要であり、汚れが残ったまま塗装をすると不具合が発生する可能性が高くなります。
また被着体の表面の粗さも重要な要素となります。通常、金属面の塗装をするときは塗装前にサンドペーパーなどにより表面の目荒らしを行い、汚れやサビを除去します。
ただし、目荒らしを行い過ぎると凸凹が発生し、均一な膜厚の塗料を塗れなくなり、塗膜がくっ付きにくくなります。

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