外壁塗装の知識

一覧に戻る

塗料はどんなものから出来ているの?

塗料は大きく分けて、「塗膜になる成分」と「塗膜にならない成分」に分けられます。
それぞれの成分が下の図のような構成となります。

「塗膜になる成分」のうち、顔料(色をつけるのに使う粉状のものです)以外の成分は展色材(ビヒクル)と呼ばれ、この中には樹脂や添加剤などが含まれます。ビヒクルは塗料の段階では流れ動くように出来ていますが、塗布された後では硬くなるようになっており、塗料の性能を決める重要なパーツとなっています。「塗膜にならない成分」としては溶媒として、水や溶剤などが含まれます。

色をつける目的の着色顔料を含むものをエナメル塗料、含まないものをクリアー(透明)塗料と言います。

それでは塗料の成分を詳しく見ていきましょう。

①樹脂とは?

樹脂の選び方は塗料の性能に最も大きな影響をあたえます。さまざまな用途によって樹脂の種類が選ばれます。ここでは代表的な樹脂をあげさせていただきます。

Aエポキシ樹脂

金属に対する付着性が高いことから金属の下塗り・中塗り用によく用いられます。
耐薬品性が高く、付着力が強いので金属が腐食するのを防ぐには最適ですが、その反面対候性は悪いです。

Bアクリル樹脂

外壁塗装に最も多くベースとして使われる樹脂です。耐候性に優れ、最もポピュラーなシリコン塗料も正確にはアクリルシリコン塗料で、アクリル樹脂とシリコン樹脂をあわせたものです。アクリル樹脂は透明な性状のため目的の色を調色しやすく着色性に優れています。アクリル樹脂を水の中に分散させたものが「エマルジョン塗料」で環境にやさしく内外装用に広く使われています。

Cウレタン樹脂

光沢や肉もち感、付着性に優れています。塗料はもちろんシーリング材や断熱材にもよく使われます。塗料には1液性と2液性(主材と硬化剤に分かれ、塗装をする直前に混合します)があります。

Dシリコン樹脂

建築用ではアクリル樹脂とあわせたアクリルシリコン樹脂が主流です。耐熱性や耐候性に優れており、やや付着性に劣るものの帯電性が低く汚れにくい性質もあります。
外壁塗装においてニーズが高く各塗料メーカーの主力商品となっています。

Eフッ素樹脂

建築用としては耐候性がかなり高いレベルとなります。しかし、しっかりとした施工をしなければ塗料の性能も発揮されませんので施工品質が重要なカギとなります。

また塗料の単価も他に比べ割高感があります。

②添加剤とは?

塗料にはいろいろな添加剤が混ぜ合わされています。その役目としては・・・・・

  • 塗料をつくる段階でビヒクルと顔料を均一に分散させ、出来上がった後、保管している間に混ざったものが底に沈み、たまるのを防ぐ。
  • 塗装をする時の作業性を良くし、表面に泡や刷毛の目が出ないようにする。
  • 塗装後の塗膜にカビや藻などの微生物を付きにくくする。
  • 塗膜劣化の要因の一つ、紫外線を吸収する。

等々、塗料に付加価値を加えることに役立っています。
☆代表的な添加剤をいくつか挙げ、説明させていただきます。

Ⅰ界面活性剤

家庭用の洗剤などにも使われるポピュラーな添加剤です。

顔料やビヒクルが混じりあったときに、表面張力(表面をできるだけ小さくしようとする性質のこと)を低下させる湿潤剤の働きや、塗料の中に均一に分散させるための分散剤、また保管中に塊が沈んでしまわないようにする沈降防止剤として使われます。

Ⅱタレ防止剤

ローラーや刷毛、吹き付け作業に最も適した粘度に塗料を調整しつつ、塗膜の流れ落ちを防ぎ、付着性を高めるためにも使われます。

Ⅲ消泡剤

塗料を作る際や刷毛やスプレーガンなどで実際に使う際、空気を巻き込んで気泡が発生します。その気泡が塗装された後、塗膜の表面に残る場合、乾燥後に気泡の跡がついてしまいます。こういった泡を消す目的のために使われます。

Ⅳ防腐剤・防カビ剤

カビはほこりや汚れなど、あらゆる有機物を栄養としており、特に塗料に含まれる界面活性剤は大好物となります。こういったカビを抑制するために使うものですが、カビは何万種類とあり、すべてのカビに有効な添加剤は存在しません。

③顔料とは?

顔料には色を付けるためのA着色顔料、作業性や肉持ち感を高めるためのB体質顔料、その他サビの発生を抑える錆止め顔料などがあります。
顔料の選択は色味や塗膜の硬さ・伸びといった、塗料の性能に深くかかわってきます。

A着色顔料

着色顔料には有機系と無機系があります。有機系顔料は色が鮮やかなものの隠ぺい力(塗料が下地の色や色差を覆い隠す能力)が弱く、紫外線を受けて色褪せしやすい性質となっています。
無機系顔料は有機系顔料に比べ耐候性に優れており、外壁塗装などの屋外の用途には無機系顔料を使うケースが圧倒的に多いです。

B体質顔料

体質顔料は塗料の下塗りに使う場合や白色系の塗料に増量することを目的に入れられることが多く、塗料の性能というより作業性(刷毛やローラーのさばき)や塗料の肉持ち感を改善する効果があります。
炭酸カルシウムやタルク、マイカなどがあり白色の物質ですが、塗料に混ぜられると無色透明で着色力がないのが特徴です。

④溶媒とは?

塗料には溶媒として、「水」または「有機溶剤」が使われます。
溶媒の目的は塗料を液体に保ち、均一に塗りつける作業を行えるようにすることです。
従いまして良い塗膜をつくるためには非常に重要な役割りとなります。

溶媒は塗装された後、塗膜の状態となった時には消え去ってします成分でもあります。
溶媒として水が使われた塗料を「水系塗料」、有機溶剤が使われた塗料を「溶剤系塗料」と言います。

有機溶剤とは物質を溶かす性質をもつ「有機化合物」のことをいい、溶かしたり洗浄したり等、様々な目的の下、様々な種類があります。
そのため有機溶剤はとても便利なものとして、塗料にたくさん使われてきましたが、光化学スモッグの発生原因になりやすいトルエンやキシレンの規制に始まり、現在は全VOC(揮発性有機化合物)の規制がなされ、塗料の業界においてもだんだんと縮小傾向にあります。
外壁塗装においてはお客様が住んでいるところで作業をしますので、
今後ますます環境に優しい「水系塗料」が伸びてくるものと思われます。

一覧に戻る